たぶんオリジナル曲(門番のラップ)を挟んでQueen「Somebody To Love」を、評判の悪い王子と聖歌隊&近衛兵らが熱唱。加えてキャストの質も高い(継母はイディナ・メンゼル!)ので期待させられる。物語は単に童話をなぞっておらず、人物像が変わっていて良い。以上長くなったが、一見の価値ある作品になっているので、気楽に観るのをおすすめする。その期待通り、洗濯物を干していたメンゼルと義姉たちがマドンナ「Material Girl」を熱唱してくれるのだから、なんとも今風にしたって弾けきっている「シンデレラ」である。冒頭いきなりジャネット・ジャクソン「Rhythm Nation」を村人が熱唱。ああ、このシンデレラってこういう感じなの? と冒頭30分で分からせて来る。また、女性が商売をするのは恥ずべきことという価値観が提示されるので、古い価値観との闘争あるいは融和もテーマかも知れない。恋に落ちる二人の親がどちらも、自分の価値観を子供に押し付けている点は共通している。主人公シンデレラの心情に重ねてカミラ・カベロ「Million To One」(ちょっとしつこい)。なかなか面白い選曲だと思う。
レビュー